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東北の歌枕の地を訪ねて
(陸奥は山城・大和に次ぎ、三番目の「歌枕の国」)
うやむやの関(有耶無耶関)
 「うやむやの関」は鎌倉初期の「八雲御抄」には、奥羽と出羽との間にありとある。
 うやむやの関には山鬼が住んでおり、旅人を捕らえて食っていた。しかし、峠には仙台側の「無耶の観音」山形側の「有耶の観音」が姿を変えた霊鳥がおり、山鬼がいると「うや」、いないと「むや」と鳴いて旅人に知らせた伝説がある。
 いなむやの関、ふやむやの関、むやむやの関、もやもやの関とも言われる。

 @ 笹谷峠:宮城県川崎町・山形県山形市  国道286号
 A 三崎峠:山形県遊佐町と秋田県きさかた市の県境 国道7号
 B 象潟町関:にかほ市

 @ 笹谷峠(ささやとうげ)
宮城県川崎町と山形県山形市の県境
 
・場所:宮城県川崎町今宿 山形県山形市八丁平 旧笹谷峠 Yahoo!地図 
有耶無耶関跡 2007.9.26




B 三崎峠(みさきとうげ) 三崎公園
山形県と秋田県の県境 国道7号 
・場所:秋田県にかほ市象潟町小砂川 山形市飽海郡遊佐町吹浦 Yahoo!地図
・説明:関所付近の林に三本足のカラスが住んでいて、近くに「手長足長」が居る時には「ウヤ」と鳴き、居ない時には「ムヤ」と鳴きました。ここを通る人々は、これを聞き分けて通るようになりました。

曽良の文学碑 三崎峠の秋田県側



C 象潟町 
・場所:秋田県にかほ市象潟有耶無耶ノ関 Yahoo!地図

 

Webに出てくる歌
夫木和歌集 詠み人知らず
東路の とやとやとりの あけぼのに ほとどぎす鳴く うやむやの関
 歌意:

明日香井和歌集  明日香井 雅経
枝折りして いづさいるさの 武士よ 心なとめそ いなむやの関 
 歌意:

詠み人知らず
越もせず 過ごせもやらぬ 三つの森 とやとやとりの うやむやの関
 歌意:

群書類聚
霧ふかき とやとや鳥の 道とへば 名にさへ迷う 有耶無耶の関
 歌意:

土御門院集 土御門天皇
たのめこし 人の心は 通ふやと 問いても見ばや うやむやの関
 歌意:

散木奇歌集 源 俊頼
 宿世やな  なぞいなむやの 関をしも  隔てて人に  音を鳴かすらむ
 すぐせやな なぞいなむやの せきをしも へだてて人に ねをなかすらん 
 歌意:

太宰大弐重家卿
ふる雪に 賎のしをりも うずもれて たつきもしらぬ むやむやの関 
 歌意:

林葉和歌集 俊恵
むやむやの のもみじの 散るときは いづさいるさに 錦をぞ着る
 歌意:

歌林良材集 
武士の 出さ入さを 枝折する おちおちどちの むやむやの関
 歌意:


ふる雪に 賎のしをりも うずもれて たつきもしらぬ むやむやの関
 歌意: