東北の歌枕の地を訪ねて
(陸奥は山城・大和に次ぎ、三番目の「歌枕の国」)
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名取川
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・場所:仙台市太白区 名取市 Yahoo!地図
・説明:「埋木」が縁語的に用いられ、秘事が顕われるとか、名が埋もれるとなど、比喩的な意味を含めて後世多くの類歌を生んだ
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太白大橋から東を風景

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任生 忠岑(峰)(みぶ の ただみね)
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・説明:860年頃−920年頃 平安時代前期の歌人 三十六歌仙の一人
身分の低い下級武官であったが、歌人としては一流と賞される。
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古今集 628
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陸奥に ありといふなる 名取川 なき名とりては くるしかりけり
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みちのくに ありといふなる なとりがわ なきなとりては くるしかりけり
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歌意:
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詠み人知らず
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| 古今集 650 |
名取川 瀬々の埋もれ木 顕れば いかにせむとか あひ見そめけむ
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なとりがわ せぜのうもれぎ あらはれば いかにせむとか あひみそめけむ
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歌意:
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源 重之(みなもと の しげゆき)
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新古今集 553
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名取川 やなせの浪ぞ 騒ぐなる 紅葉やいとど よりてせくらむ
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なとりがわ やなせのなみぞ さわぐなる もみじやいとど よりてせくらむ
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歌意:梁をしかけてある瀬が騒ぐのは、たくさんの紅葉が水をせきとめているからだろう
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藤原 定家(ふじわらの さだいえ(ていか))
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・説明:1162−1241年 鎌倉時代初期の公家・歌人 藤原俊成の子
「ていか」と音読みされることが多い。 |
| 続後撰 |
名とり河 春の日敷(數) あらはれて 花にぞしづむ 瀬々の埋もれ木
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なとりがわ はるのひかず あらわれて はなにぞしづむ せぜのうもれぎ
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歌意:
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寂蓮 法師(じゃくれん ほうし)
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・説明:1139−1202年 平安時代末から鎌倉時代初期の歌人、僧侶
俗名:藤原定長
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新古今集 1118
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ありとても 逢はぬためしの 名取川 朽ちだにはてね 瀬々の埋木
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ありとても あはぬためしの なとりがわ くちだにはてね せぜのうもれぎ
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歌意:
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藤原 良経(ふじわら よしつね)
九条 良経(くじょう よしつね)摂政太政大臣
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| ・説明:1169−1209年 平安末〜鎌倉初期の公家 歌人 号は中御門殿,後京極殿 |
新古今集 1119
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嘆かずよ いまはたおなじ 名取川 瀬々の埋木 朽ちはてぬとも
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なげかずよ いまはたおなじ なとりがわ せぜのうもれぎ くちはてぬとも
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歌意:
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花園院(はなぞのいん)/花園天皇
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・説明:1297−1348年 鎌倉時代の第95代天皇 在位:1308−1318年
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新千載集
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流れての その夜かたりの 名取川 かり逢瀬に 身をや沈めん
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ながれての そのよかたりの なとりがわ かりおうせに みをやしずめん
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歌意:
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| 西行 法師(さいぎょう ほうし) |
・説明:1118−1190年 73歳没 和歌山県那賀郡打田町生まれ
本名:佐藤義清(のりきよ)生命を深く見つめ、花や月をこよなく愛した平安末期の大歌人。
宮廷を舞台に活躍した歌人ではなく、山里の庵の孤独な暮らしの中から歌を詠んだ。 |
夫木集
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名とり川 岸の紅葉の うつる影 同じ錦を 底にさへ敷く
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なとりがわ きしのもみじの うつるかげ おなじにしきを そこにさへしく
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歌意:名取川を渡ると対岸の紅葉が川面に写り、川底に錦を引いたように見える。
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| 源 経信(みなもとの つねのぶ) |
・説明:1016−1097年 平安時代後期の公家・歌人 詩歌・管絃に秀で、有職故実にも通じ、多芸多才
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名取川 そこさへぞ照る 夏の夜は 蛍ひまなく 見へわたりつつ
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なとりがわ そこさへぞてる なつのよは ほたるひまなく みへわたりつつ
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歌意:
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| 前齋宮内侍() |
| ・説明: |
| 金葉和歌集 ・新後撰遺集 |
浅ましや 逢瀬もしらぬ 名取川 またきにいます 洩らすべしやは
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あさましや おうせもしらぬ なとりがわ またきにいます もらすべしやは
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歌意:
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源 重之(みなもとの )
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| ・説明: |
拾遺和歌集
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あだなりな とりの氷に おりゐるは したよりとくる 事はしらぬか
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歌意:
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樋口 一葉(ひぐち いちよう)
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| ・説明:1872〜1896年 24歳肺結核で死亡 東京生まれ 小説家 |
名取河 浪のぬれぎぬ きつる哉 おもふ心の まだかけなくに
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| なとりがわ なみのぬれぎぬ きつるなり おもふこころの まだかけなくに |
歌意:
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ひたすらに 厭ひは果てじ 名取川 なき名も恋の うちにぞありける
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| ひたすらに いとうははてじ なとりがわ なきなもこいの うちにぞありける |
歌意:
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みちのくの 無き名取川 くるしきは 人にきせたる ぬれ衣にして
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| みちのくの なきなとりがわ くるしきは ひとにきせたる ぬれぎぬにして |
歌意:
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なとり川 瀬々のうもれ木 それすらも 世にあらはるゝ 時はありけり
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なとりがわ せぜのうもれぎ それすらも よにあらはるる ときはありけり
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歌意:
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