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熊阪氏三代
    熊阪覇陵(くまさか はりょう) (1709−1764年) 保原町の豪商の長男に生まれ
 息子:熊阪台州(くまさか たいしゅう)(1767−1830年)
  孫:熊阪盤谷(くまさか ばんこく) (1767−1830年)

高子二十境(たかこ にじっきょう)
 熊阪 覇陵(くまさか はりょう)が、故郷の景勝地20カ所を「高子二十境」として選定
「高子二十境」は阿武隈急行電車「高子駅」を中心に半径300〜700mほどの範囲に、ゆるやかな丘陵上に配されている。

 1 丹露盤(たんろばん)
11 不羈拗(ふきおう)
 2 玉兎巖(ぎょくとがん)
12 拾翆崖(じゅうすいがい)
 3 長嘯嶺(ちょうしょうれい) 13 返照原(へんしようげん)
 4 龍脊巖(りゅうせきがん)
14 走馬嶺(そうまれい)
 5 採芝崖(さいしがい)
15 白鷺峰(はくろほう)
 6 帰雲窟(きうんくつ)
16 う山(うざん)
 7 将帰阪(しょうきはん)
17 禹父山(うふさん)
 8 狸首岡(りしゅうこう)
18 愚公谷(ぐこうこく)
 9 隠泉(いんせん)
19 白雲洞(はくうんどう)
10 高子陂(こうしひ) 20 古樵丘(こしょうきゅう)
 などロマンチックな名前に誘われて、ついつい訪れてみたくなる。それぞれの場所には熊阪覇陵・台州・盤谷の親子孫三代の漢詩や当時と変わらない風景が残されている。

・場所:福島県伊達市保原町上保原 高子二十境巡り Google地図

1 丹露盤(たんろばん)
・場所:福島県伊達市保原町上保原字丹露盤 Yahoo地図
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
丹巖高して突兀たり ?雲に滴て寒し 借問す孤標の勢 承露盤に如何ん
・解釈:赤い色の岩が高く聳え 空に突き出ている 夜露が雲の中を滴り落ち
 寒さを感じさせる 聞きたい 突き出た岩の感じは 中国の王宮にあるという
 承露盤と比較してどうであろうか
 
熊阪 台州(くまさか だいしゅう)
 高く高く聳えている丹露盤 紫色に染まった 巖の高さは百丈ばかり
 その盤上に 雲の中から甘露が降りてくるよ 中国の王宮にあった金箔の
 仏像の掌に負けはしない


熊阪 盤谷(くまさか ばんこく)
 ひとたび青山の路に入れば 幽径 山賛 山元に接す
 柴霞の興に発する毎に幾たびか 丹露盤を過る

 2013.11.23


2013.11.23


丹露盤の展望 2013.11.23


2013.11.23




2 玉兎巖(ぎょくとがん)
・場所: Yahoo地図
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
酒を把る仙崖の上 天風玉兔寒し 酔来肱臥する処 誤て月中の看を作す
・意:仙崖の上で酒を飲む 玉兎の岩を天風が吹きぬけ、寒い酔いがまわって寝ていると誤って月の中に居る錯覚を覚えた

熊阪 盤谷(くまさか ばんこく)
楓々たる清風の夕べ 還っての玉兎巌に登る
悠然として 首を廻す処 明日松杉を照らす
・意:

丹露盤の手前 長嘯嶺、龍脊巖、採芝崖、帰雲窟
3 長嘯嶺(ちょうしょうれい)
・場所: Yahoo地図   標柱無し
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
 嶺頭長嘯し罷て 却て蘇門の岑を憶う 半嶺にして重て長嘯すれば
 自ずから鸞鳳の音を成す
・意:嶺の頂上で長嘯しおえると 隠者たちが棲むという蘇門嶺を思い出した 中腹に下って 再び長嘯すると 自ずから鸞鳳の鳴き声のような音になった


4 龍脊巖(りゅうせきがん)
・場所: Yahoo地図   
熊阪 台州(くまさか だいしゅう)
独歩す峻巌の嶺 孤節紫畑を凌ぐ 忽ち疑う
龍の脊に立つかと却って 葛彼の仙を憶う 


 採芝崖(さいしがい)
・場所: Yahoo地図   標柱無し
 

 帰雲窟(きうんくつ)
・場所: Yahoo地図  標柱無し
2013.11.23


2013.11.23


2013.11.23




7 将帰阪(しょうきはん)
・場所:福島県伊達市保原町大柳 Yahoo地図   標柱無し
熊阪 盤谷(くまさか ばんけい)
林下独り徘徊すれば 清風巳に晩に向かわんとす
鳥は還える落 欲する巣に人は行く将帰阪   
この辺が将帰阪だと思う 2013.11.23




 狸首岡(りしゅうこう)
・場所: Yahoo地図 標柱無し



9 隠泉(いんせん)
・場所: Yahoo地図  標柱無し



10 高子陂(こうしひ)
・場所:高子沼 Yahoo地図
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
春陂千萬頃 幾客魚を得て帰る 高子知ぬ誰が子ぞ 空しく一釣磯
・解釈:広々とした春の高子沼。釣り人が帰っていく。どれだけの魚を釣ったのだろうか。
    高子と名がついているが誰がつけたかは知らない。いまはもう、釣る人は一人もいない。
    波うちぎわが、静かにたたずんでいる。
2013.11.23



10 高子陂(こうしひ)
熊阪 台州(熊阪覇陵の息子)
春風高子陂 春水緑にして酒の如し     
為に問ふ垂綸の客 魚を得ば肯じて売んや否や
・意:春風が高子沼の上を吹きすぎていく 沼の水は緑色で酒のようだ 釣り人に尋ねたい 魚が釣れたら 売ってくれませんか
2013.11.23


2013.11.23




11 不羈拗(ふきおう)
・場所:伊達市保原町上保原高子 Yahoo地図
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
高臥す 不羈 晩来殊にいまだ帰らず
孤雲と将独鳥と 深く錦陂に映じて飛ぶ
不羈の場所 2013.11.23


不羈の場所 2013.11.23


展望所から見た不羈拗 2013.11.23


展望所から見た不羈 2013.11.23




12 拾翆崖(じゅうすいがい)
・場所: Yahoo地図   標柱無し
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
高子沼 西岸での釣りをやめて 今度は北方の崖に移った
雲の光と山の緑とが水面に映っている あたかも鏡のようで
手に掬いとってみたくなる
2013.11.23


展望所から見た拾翆崖 2013.11.23




13 返照原(へんしようげん)
・場所: Yahoo地図 



14 走馬嶺(そうまれい)
・場所: Yahoo地図
熊阪 盤谷(くまさか ばんこく)
南のかた走馬嶺に登り 北に王孫の路を望む 
王孫なおいまだに帰らず 惆悵して桂樹を攀ず
・意:南の走馬嶺に登る。北の方の王孫が歩く道を望むように眺めた。
   帰りを待ち続けている王孫は、まだ、帰ってはこない。月の世界に生える桂の樹を採るくらいに難しいのはわかっているが、悲しみ恨んで、その帰りを待っている。
2013.11.23


走馬嶺からの展望 2013.11.23




15 白鷺峰(はくろほう)
・場所: Yahoo地図  標柱あり 
2013.11.23




16 う山(うざん)
・場所: Yahoo地図 標柱無し



17 禹父山(うふさん)
・場所: Yahoo地図  標柱無し
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
 山頭 誠に望みを騁せれば 一水弧城を抱く 襄陵(じょうりょう)の
 世を問わんと欲すれば 空しく兎父山の名を留る
・意:禹父山の頂上に立って一望すれば一本の川が孤城を抱くように流れている。
 洪水の鎮魂歌「襄陵操」の昔を尋ねたいと思ったら空しく禹父の名がここにあるではないか


愚公谷は岩谷沼の所にもう一カ所ある Yahoo地図
18 愚公谷(ぐこうこく)
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
 一び丘壑に耽りしより 幾か過る幽谷の中 老来路の遠きを愁ふ
 頗る愚公を学んと欲す
・意:丘陵と谷の魅力にとりつかれてから しずかな谷の中に何度も分けいった
 老人は歩いてきた遠い道を愁う度に すこぶる愚公の愚を学びたいと思った


18 愚公谷(ぐこうこく)
・場所: Yahoo地図
熊阪 台州(くまさか だいしゅう)
 獨往す愚公谷 已に俗に適うの韻べ無く 人に逢うては便ち回避す
 恐らくは斉桓の問いに到らさんことを
・意:独り、愚公谷に行く。私は、俗世間に適う性格ではない。もう、おもねる必要はない。
途中で人に逢えばすぐに避けてしまう。逢った人は、斉の桓公の問いのように「おい、鬼神を見なかったかと」言われるかもしれない。

2013.11.23


2013.11.23




19 白雲洞(はくうんどう)
・場所:上保原字小性山 Yahoo地図
熊阪 盤谷(くまさか ばんけい)
独歩す幽洞辺 山中秋色の夕 丹楓遊子に媚び 白雲過客を留む
・解釈:独り幽玄な岩屋の辺を歩く 山中秋色が見え隠れする夕方
 紅葉した楓は遊覧する人に媚び 山上にたなびく白雲は 過ぎ行く人の足を留めさせる


熊阪 台州(くまさか だいしゅう)
朝に見る白雲の迎うるを 暮れに見る白雲の送るを
朝暮白雲在り余将に此の洞に老いんとす

2013.11.23


2013.11.23


2013.11.23


2013.11.23




20 古樵丘(こしょうきゅう)
・場所: Yahoo地図
熊阪 覇陵(くまさか はりょう)
独酌する古樵丘 詩成っておのずから 飄逸
酔うては看る浮雲の過ぎるを醒めては愛す明日の出を

2013.11.23


2013.11.23



20 古樵丘(こしょうきゅう)
熊阪 台州(くまさか だいしゅう)
一び樵翁の去りしより 遺蹤惟古丘 今に明月在り 旧に依て白雲浮ぶ
・意:ひとたび老人の樵が立ち去った後には 古樵丘が横たわっているだけである
 今はただ その上空に明るい月があって 昔のままに白雲が浮かんでいる
古樵丘からの展望 2013.11.23