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岩手県一関市東山町の句碑・歌碑・詩碑

石と賢治のミュージアム
・場所:岩手県一関市東山町松川字滝ノ沢149-1 Yahoo!地図 
宮沢 賢治(みやざわ けんじ) 
・説明:1896−1933年 37歳没 花巻市生まれ 花巻農学校教師 家を出て農耕・自炊の生活に入る 東北砕石工場の技師(昭和6年) 詩人、童話作家、農業科学鉱物研究者
あらたなる よきみちを得しといふことは
ただあらたなる なやみの道を得しといふのみ
 詩意:
 賢治が東北砕石工場の技師として、慣れないセールスに東奔西走していた頃、手帳に書きつけていた詩想メモ。「王冠印手帳」より
 1994年(平成6年) 建立 
2013.6.23


中央が宮沢賢治 2014.6.30





 石と賢治のミュージアム

これらは素樸なアイヌ風の木柵であります
               詩ノート 一〇六三より

これらは素樸なアイヌ風の木柵であります えゝ       
家の前の桑の木を Yの字に仕立てて見たのでありますが   
それでも家計は立たなかったのです             
四月は 苗代の水が黒くて くらい空気の小さな渦が     
毎日つぶつぶそらから降ってそこを烏が があがあ啼いて   
通ったのであります どういふものでございませうか     
斯ういふ角だった石ころだらけの いっぱいにすぎなや    
よもぎの生えてしまった畑を 子供を生みながらまた前の子供の
ぼろ着物を綴り合せながらまた炊爨と村の義理首尾とをしながら
一家のあらゆる不満や慾望を負ひながら           
わづかに粗渋な食と年中六時間の睡りをとりながら      
これらの黒いかつぎした女の人たちが耕すのであります    
この人たちはまたちゃうど二円代の肥料のかはりに      
あんな笹山を一反歩ほど切りひらくのであります       
そして ここでは蕎麦が二斗まいて四斗とれます       
この人たちはいったい牢獄につながれたたくさんの革命家や  
不遇に了へた多くの芸術家 これら近代的な英雄たちに    
果して比肩し得ぬものでございませうか           

 2006年(平成18年) 生誕110周年を記念 建立
2014.6.30



自然と共に生きる
     「狼森と笊森、盗森」(おいのもりとざるもりぬすともり)より
「ここへ畑起してもいいかあ。」「いいぞお。」森が一斉にこたえました。
 みんなは叫びました。
「ここに家建ててもいいかあ。」「ようし。」森は一ぺんにこたえました。
       「注文の多い料理店」序文より
 これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。
2014.6.30




 新山公園
・場所:岩手県一関市東山町長坂字(新山公園内)東山町役場の裏山のような公園 Yahoo!地図 
 宮沢 賢治(みやざわ けんじ)
「農民芸術概論綱要」の一節
まづもろともに かがやく宇宙の 微塵となりて 無方の空にちらばらう
 詩意:
 1948年(昭和23年) 建立 谷川徹三書
2014.6.30






 猊鼻渓乗船口
・場所:岩手県一関市東山町長坂467番地 Yahoo!地図 
 猊鼻渓追分けの碑
げいび追分
清きながれの砂鉄の川に 舟を浮かべてさおさせば 
曇り勝ちなる心の空もネ 晴らしてくれます獅子ヶ鼻

探ね来て見よ岩手の空に 世にも稀なる此の景色  
大舟渡線に乗り換えしゃんせネ  一関より遠からず
 年 建立
 2013.6.23




磐井清水(いわいしみず)
・場所:岩手県一関市東山町松川字卯入道 Yahoo!地図 
藤原 秀衡(ふじわら ひでひら)
・説明:1122−1187年 奥州藤原氏第3代当主
ときわ木の かげの磐井の 忘れ水 夏を覚えぬ 名にそありけり
 意:
 年 建立
2014.7.30



不明
新玉の 生る朝の日を 愛いて 磐井の清水は 平泉築に 
 意:
 年 建立
2014.7.30




善龍寺(ぜんりゅうじ)
・場所:岩手県一関市東山町長坂里前76 善龍寺  Yahoo!地図 

松尾 芭蕉(まつお ばしょう)
・説明:1644−1694年 51歳没 三重県伊賀市出身 本名:松尾宗房(まつおむねふさ)
    江戸時代前期の日本史上最高の俳諧師の一人
         さゝれ蟹  足はひ上る   しみす哉
         さざれがに あしはひのぼる しみずかな 
 句意:冷たい清水に足を浸して休んでいると、小さな沢蟹が無心に足を這い上がってくる
 1828年(文政11年) 建立
2014.9.29



げいび吟社於当山吟行句
   薫風や いしぶみにふれ 偲びける   周平
   容色の 涼しかりけり 
翁の碑     青苑
   
参道に ほころび初めし 葉ざくら   れい子
   草むしり 
寺坂守り をつく     礼子
   
寺裏に 涼しき風の 吹きをりし    節子
   万緑や 方丈守る 
芭蕉句碑      亞郷
   名水の 
大清水小清水 梅雨の川    佳女
   老鶯の 谷氏がへり来 砂鉄川      良江
   
大清水 享けて小石の 粒きらら    道柴葉
   
句碑ありて 青葉に風の 残りけり   けんた浪
   藻が増えて 
湧き口見えぬ 大清水   チエ子
   
参道を 下れば清水 滾々(こんこん)と   啓上
   
童子佛 ほたるぶくろの 灯の垂るる  時不知
             平成20年7月13日 吟行会
             句碑建立より180年 報恩
 赤字:芭蕉の句碑を 青字:大清水(おおすず)を 緑字:善龍寺を詠んだ句でしょうか




げいび吟社於当山吟行句
句碑建立146年報恩句会
   句碑に掌を ふれて仰ぐや 鱗雲   すみ
    
梵鐘の 餘韻ひろごる 刈田かな   葉畄子
   秋の声 
翁の句碑の ものさびて   定子
   
大清水も 小清水も澄みて 古禅刹  きく
   
句のや 栗の実まろぶ 瀬戸の經  渓石
   
句碑かこみ 稲をかけたり 丘の寺  晶子
   
山門の 芭蕉碑かこむ 稲架襖    夢宿
   
秋寺や 人影もなき 佇づまい    粒子
   
鐘の音の 里をつつみて 秋深し   石水
   紅葉山 御開山の碑に 笠置きて   林泉
   末世にも 
濁らす守 周忌    蓼雨
       げいび吟社87回句会 平成18年盆 右より33回忌 建立
 
赤字:芭蕉の句碑を 青字:大清水(おおすず)を 緑字:善龍寺を詠んだ句でしょうか
 2014.9.29