碑の背面 よく人のこころさしを継ぎ、よく人の事を述るハ、親につかふまつる道のかしこきのみならず、師につかふまつる、はたおなしかるべし。 いにし年春窓湖十、其師江左翁の年頃松島にあそはんとのこころさしありしかと、はたさずして身まかられしをなけきて、翁の句の中にきこえたるをゑらびえりて、ここにとめぬ。去年の夏の晴窓身まかりぬ。 かれその弟子等師の句のめづらかなるをいしふみとなしてたてたり。 晴窓ははやうここにあそびて、其志もはたし、ここの句もあれと、そはわざとはふきて、おほかたの人のよしと思へる物すとなん。 さて、晴窓のなしたるいさをしこたひ弟子等のはからうさま事のよしはかわりにたれと、そのこころさしははた同じかるべし、これやよく人の志をつき、よく人の事を述るとやいふべからむ 万延二年二月 藤原信古識
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