小太郎・紅蓮尼の比翼塚(ひよくつか) |
・場所:宮城県宮城郡松島町松島 Yahoo!地図 |
紅蓮尼(こうれんあま) |
・説明:昔(1321年頃)、松島瑞巌寺近くに住む掃部という富豪が、伊勢参り途中で出羽国象潟の商人森隼人と親しくなった。別れ際、このまま別れてしまうには惜しく、親戚の関係を結びたいと、掃部の息子の小太郎と商人の娘の谷の婚約を整える。
ところが、掃部が巡礼の旅から戻ると、小太郎はすでに病で亡くなっていた。それを知らない谷は花嫁姿で掃部のもとを訪れた。
小太郎が亡くなっていることを知ると、「両親同士が許した以上夫婦であり、命が尽きるまで仏に仕え尽くしたい」と松島に残り、掃部夫妻に尽くした。
数年後、掃部夫妻が相次いで亡くなると、冥福を祈るのが残されたものの務めと、名を紅蓮と改め尼となる。紅蓮は心月庵を開き、供えられた米で煎餅を焼いて村の人々に施した。これが「松島こうれん」と呼ばれ、現代まで伝えられている。
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亡き夫が植えた梅の木に向かって、梅の花を見る小太郎を思って悲しくなってしまうので詠んだ
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移し植えし 花の主は はかなくに 軒端の梅は 咲かずともあれ
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と詠んだところ、翌年はもう花が咲きませんでした。しかし咲かなくなってしまうと、また寂しいので、今一度詠んだ
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咲けかしな 今は主と ながむべし 軒端の梅の あらん限りは
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と詠んだところ、また香り高い花をつけるようになった。
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比翼塚 (愛し合って死んだ男女を一緒に葬った塚)
小太郎が愛した梅の木 軒端(のきば)の梅
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