白河の関を詠んだ歌
|
西行 法師(さいぎょうほうし) |
・説明:1118-1190年和歌山県那賀郡打田町に生まれ
本名:佐藤義清(のりきよ)生命を深く見つめ、花や月をこよなく愛した平安末期の大歌人
宮廷を舞台に活躍した歌人ではなく、山里の庵の孤独な暮らしの中から歌を詠んだ。
|
関に入りて、信夫と申辺、あらぬ世の事におぼえて哀れなり。都出でし日数思ひ続けられて、「霞と共に」と侍ることの跡辿(たど)り詣(もう)で来にける心一つに思知られて詠みける
|
白河の 関屋を月の 洩る影は 人の心を 留むる成けり
|
しらかわの せきやをつきの もるかげは ひとのこころを とむるなりけり
|
歌意:
|
|
都いで 逢坂越へし おりまでは 心かすめし 白河の関
|
みやこいで おうさかこえし おりまでは こころかすめし しらかわのせき
|
歌意: |
白河の 関路の桜 咲きにけり 東より来る 人の稀なる |
しらかわの せきじのさくら さききにけり あづまよりくる ひとのの稀なる |
歌意: |
思はすは 信夫の奥へ 来ましやは 越え難かりし 白河の関 |
おもはは しのぶのおく きましやは こえむずかりし しらかわのせき
|
歌意: |
雪にしく 袖に夢路も 絶へぬべし また白河の 関の嵐に
|
ゆきにしく そでにゆめじも たへぬべし またしらかわの せきの嵐に
|
歌意:
|